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基調講演
わが国の産業競争力へのMOTの貢献 〜がんばれ MOT!〜

前東京大学助教授 参議院議員 藤末健三氏
前東京大学助教授 参議院議員
藤末健三 氏
[ FUJISUE.NET ]

既得権に安住した大企業や既存中小企業からだけでは、時代の変革に対応したイノベーションが起こることは期待できません。イノベーションを起こし新たな産業の担い手となるベンチャー企業こそが今の日本産業界になくてはならないものです。

さて、米国と日本をフォーチュン2000のベスト1000企業を比較してみました。米国では、1900年以降は100年以上の寿命を持つ企業が80社ほど出てきました。さらに、80年代〜90年代にかけては新企業の開業数が増加しています。逆に日本では、60年代以降に減少しているというのが現状です。米国では1970年代からIT企業の設立が徐々に見られ、80年代以後も継続的に企業が生まれていますね。そして、それら新規企業が現在のアメリカ経済を牽引してきました。日本では戦後、我が国を代表する企業はほとんど誕生していないのです。1950年代半ばから1970年代前半までの高度成長期においてさえ、企業が生まれず、その後80年代、90年代にも生まれていない。我が国は戦前の遺産で生きている。残念ながら、我が国は年老いた企業によって支えられている経済が続いてきました。これでは、さらなる成長は見込めません!

我が国が長期的低迷から抜け出すため、また今後も国際経済における一定の地位を維持するためには既存の企業に頼っているだけではもはや不可能です! ではどうしたらいいのか。1. 新たな有望ベンチャー企業や新規事業が次々と生み出し、2. 新たな商品やサービスが次々に創出し、3. 新たな需要・市場を開拓し、その結果として4. 多くの雇用が創出するというシナリオです。革新的なベンチャー企業の育成に国をあげて取り組むべきです。

イノベート・アメリカを参照して議論します。イノベーションとは、社会的、経済的価値の創造へと導く、発明と洞察の融合です。すなわち、単なる発明や技術革新にとどまらず、それに洞察を加え、社会や経済に価値をもたらしてこそ、イノベーションなのです。 私には3つの提言があります。

1.日本が学ぶべき点
米国は、政策立案に現役の政治家をメンバーに入れている。我が国においても当初から政策実行のことを考え、政治家が積極的に参画すべきです。

2.国家ビジョンを決める
国家のビジョンはその国(企業)の志ともいえ、その志の大小は国の長期的な成長に大きく影響します。 今こそ時代に流されない長期的な高い目標をセットしましょう。

3.戦略作りに予算をかける
我々が読んでいるメイド・イン・アメリカなどの報告書は、膨大な報告書のほんの表面でしかありません。プロジェクトにおける予算は数億、レポート群の厚さは2メートルを超えることもあります。それに対して日本の政府は「知恵にお金をかけること」をほとんどやらずにきました。いまこそある程度のまとまった予算を使い、日本の産業競争力の基本的分析を行うべきなのです。 がんばれ!MOT!!

講演資料(PDFファイル:118K)

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