第二回シンポジウム
~2006年12月18日開催~ [開催報告] #4

パネルディスカッション:MOT人材がもたらすイノベーション

議論された主な意見

  1. 日本は技術評価ができていない。また評価できるシンクタンクが少ない。アメリカでは技術評価ができている。
  2. 科学技術基本計画では、IBNE(情報・バイオ・ナノ・環境)を中心に取り上げているが、網羅的に取り上げるのではなく、「ものづくり」の観点をもっと強調すべきである。バイオは欧米に9割の特許を抑えられている。そこに進出しても費用対効果で疑問である。日本は何が強いか?その技術は世界と比べて特色あるものとして生き残っていけるのか?の観点で、分野を選択する必要がある。日本の今後の技術基本計画は、IBNEから脱却して、何が日本の特色かからスタートする必要がある。このことは個々の企業にも言え、全体をカバーする思考ではなく、強いところをもっと積極的に伸ばしていくことが必要である。 強いところからほんのちょっとはなれたところで勝負する。 イノベーションは、日本型技術イノベーション(改良型と科学型のミックス)と、日本型経営イノベーション(技術蓄積、技術ベース)の融合の上に築かれる。
  3. MOTが社会にどう認知されているか?企業はMOT人材を受け入れるかという心配があるが、そのような心配こそ、グルーバルなものの見方ができていない現われである。
    国際的には、MOT人材が必要なことは当然のことで、MOT人材がもっと積極的に活躍するにはどうしたら良いかをこそ議論すべきである。
  4. 技術イノベーションにおける大学と企業の役割のなかで、大学、特にMOTは社会還元にもっと軸足を置くべきである。企業は、大学と従来のような保険的付き合い型でなく、やる気のある先生と本音で付き合っていきたい。
  5. MOT人材に期待することは、イノベーションにおける「夢」と「現実」の間に横たわる「悪夢」を克服できる人材である。このような人材を社会に供給して、社会還元を図るべきである。
  6. 日本のものづくりに中小企業は大きな役割を果たしている。現実に困っているのは後継者育成で、MOTに期待する。
  7. MOTには、基礎的な経営資質として、1.正しい時代認識、2.自他の客観的評価、3.実行し結果に責任を持つ人材育成を期待する。
    • 競争に生き残る条件:「差別化」・「グローバル化」戦略の実践、自社戦略に合致
    • 期待する人材教育:急激な変化に対応できる人材、社内、社外と協力できる人材、専門分野の高い技術・技能、中小企業の立場を理解、すばやく判断し行動する。
    • トップ経験を積む。
  8. MOTは画一的ではなく、それぞれが特色ある大学院を目指してほしい(ex自動車に強い、財務に強い)。
  9. MOTは、英語での講義を世界に発信できるか?
  10. 企業は、トレーニングを受けた人材の受け皿があるのか?
MOT協議会会長 東京農工大学 大学院技術経営研究科長 古川 勇二
MOT協議会会長
東京農工大学 大学院技術経営研究科長
古川 勇二

参考資料

後援団体資料

  1. 文部科学省 「専門職大学院について」 (PDF:186K)
  2. 経済産業省 「産学連携のこれまでの取組と今後の可能性」 (PDF:1585K)

MOT協議会会員校のご紹介

MOT協議会は、文部科学省設置認可のある日本国内の技術経営(MOT)専門職大学院が結集した協議会です。

  1. 芝浦工業大学 (PDF:626K)
  2. 早稲田大学 (PDF:15K)
  3. 東京理科大学 (PDF:488K)
  4. 東京工業大学 (PDF:222K)
  5. 東京農工大学 (PDF:484K)
  6. 日本工業大学 (PDF:14K)
  7. 山口大学 (PDF:1414K)
  8. 九州大学 (PDF:529K)
  9. 長岡技術科学大学 (PDF:140K)
  10. 新潟大学 (PDF:153K)